家訓の可能性~復興と減災への効果~

人々に大きな恵みを与えてくれる大自然も、ときには、牙をむき、我々の生活を大きく変えてしまうことがあります。


人間の能力では自然には勝てません
しかし人間には知恵があります。


経験を教訓にかえ、対策をしていくことが人類の知恵。
そして今、知恵を更なる高みに誘う家訓づくりの可能性が注目をあびています^^


家訓づくりがノーベル賞をとってしまう理由もそこにあります。
減災、防災。そして何事もないふつうの一日をつくる、それが家訓づくりです(ー_ー)!!

  

東日本大震災で、東北の沿岸地域が津波による甚大な被害を被ったことから、政府は今後の対応策として、数兆円をかけ、新たに440の防潮堤を、東北の海岸に建設しようとしています。防潮堤の効果については懐疑的な見方もあり、建設が計画されている地域の住民を二分する論争にもなっている。

 

 海外各紙は、防潮堤計画が「日本の万里の長城」と呼ばれていることを紹介。その効果を疑問視する意見があると、伝えています。

 

  東北大震災のとき岩手県普代村では、3000人の住民が、高さ15メートルの防潮堤のおかげで助かった。しかし、釜石市では、当時ギネスブックで世界一巨大と認定され、1200億円を投じた防波堤を津波が破壊。その内側にあった防潮堤も波に飲み込まれ、役に立ちませんでした。

 

東京大学の都市計画の専門家、クリスチャン・ディンマー助教授は、ガーディアン紙に「防潮堤が人命を守る可能性はあるが、それは実際の津波の高さと到達高度が想定を越えなければの話」と述べる。津波の高さは予測不能で、どんなに高い防潮堤でも、その効果は絶対ではないとしています。

  

日本に並ぶ地震大国として知られるチリで、9月16日にチリ沖を震源とするマグニチュード(M)8.3の地震が発生しました。その後チリ北部沿岸を津波が襲い、この地震と津波により18日夜の時点で13人の死亡が確認され、6人が行方不明になっています。

しかし、犠牲者の数は、マグニチュード8.8の地震と津波が起きた2010年2月より、はるかに少なかったそうです。このときは約500人が命を落としていました。

   国連国際防災戦略(UNISDR)のマルガレータ・ワルストロム(Margareta Wahlstroem)代表はチリの地震対応についての声明の中で、「チリは、素早く復旧できるインフラの整備、早期警報システム、都市計画に投資したことによって、今回は大きな地震だったにもかかわらず犠牲者の数を低く抑えることができた」と述べています。

  

 5年前、チリ当局は、地震が起きた直後に混乱した情報を発表。津波警報が解除されて住民が沿岸部の自宅に帰ってから数時間後に大津波が襲い、100人以上が犠牲になりました。

 

 この失敗を教訓とし、今回は、地震発生から数分以内に海軍が全国に津波警報を発令。徐々に自宅に帰り始めていた100万人が避難した。「100万人を避難させたことで5年前の人命損失を繰り返さなかった」とワルストロム代表は指摘しています。

チリは火山の噴火や地震が多い国です。そこでチリは何年も前から、耐震システムや、地震の震動から建物を守る免震システムを取り入れ、耐震化を進めてきました。

 

また、チリ緊急災害対策庁(ONEMI)も、避難訓練をたびたび行い、学校を訪ねて地震のシミュレーションを実施するなどして、国民の防災教育に力を入れているそうです。

 

チリ政府は、替え難い経験を教訓にかえ、見事国民の命を救いました。

チリ政府の対策は、耐震化は「ソフト面」の勝利だったのではないでしょうか?

 

 現在、日本では海岸線に防波堤をつくっていますが、これはハード面での対策です。15mをこえる津波には、何の意味もなく、ギネスにも認定された防波堤でさえ、わずか数十秒、波の被害を遅らせただけでした。

 

 津波は怖い。しかし人間には知恵がある。

地震発生後、津波がやってくるまで30分以上の時間はあるそうです。

 

地震があった際には1も2もなく、すぐに高台に逃げること!

この時、車での避難はしない。

心配であっても、避難時の集合場所だけきめておく、そして子どもや家族を迎えにいかない。

最後に、津波警報が解除されるまで、絶対、街には帰らない事っ!

 

これがパーフェクトな津波被害を食い止める実践例です。 命を守る対策は、ハードよりソフトが大事です。 「家訓づくり」が復興に、そして減災に役立つのは、このソフト面での効果です。

 

ここで「家訓」の優れた効果を紹介させていただきます。  

1.経験を教訓にかえる 

2.減災への意識を高める 

3.子子孫孫に未来永劫に教訓を伝えることができる 

 

なおかつ、金がかからない(ー_ー)!!

  

津波の被害を抑える対策はシンプルで、とにかく逃げること。 チリでは、これをサポートするために避難路での表示の徹底と、年に数回実施しているという避難訓練の賜物であったとレポートしていました

 

 

ヒトの世は忙しい、そして人は、様々なことを忘れていく動物です。そんな人の営みのなかで「意識」を減災につなぎとめることは並大抵のことではないことではありません。 わたし達のご先祖さまも、波の到達地点を神社にしたり、石碑を建てたりしてくれましたが、貴重な教訓を無為にしてしまったようです。

 

今、数兆円をかけ防波堤をつくる工事が急ピッチではじまっています。

この決定はお金はかかるが、そんなに難しい問題ではありません。ようは金の問題だからです。

ただし、前述のとおり効果の面では期待できません。でも、「対策をした」という一点で、関係者の溜飲をさげる効果は期待できそうです・・・。つまり対策の対策。あるいは「言い訳」のための対策とも言い換えることができます。

  しかしソフト面の対策は、お金はかからないが手間がかかります。なおかついつ来るかわからない津波のために、10年、100年、1000年と時間をかける必要もあります。

 

 お金はかからないけど、徹底するのにしんどい「ソフト面の対策」 簡単にできるけど、お金もかかるし、ぶっちゃけ効果も低い「ハード面の対策」

  この2つの矛盾する対策をつなげるのが、「家訓づくり」と改めて提言します。

 

過去の多くの開催では、この減災への意識を高める効果を家訓づくりのセミナーの中で紹介してきました。 今回、開催を予定している浪江JC,南双葉JC,兵庫ブロック西宮JCの共催によるキャンプの事業では、参加いただくご家族に家訓づくりセミナーを受講いただく予定です。

 

とくに20年前の阪神淡路大震災で被災の経験のある西宮と、いまなお地震と、放射性物質の問題で苦しむ福島湾岸部の地域がタッグを組んで、福島の未来を占う事業となっています。

 

家訓づくりは、転ばぬ先の杖。ありきたりの日常を全力でサポートするプログラムです。 そして、震災の経験を教訓にかえるため、トレーナーとして一緒に勉強していきたいと思います^^

 

ノーベル平和賞を受賞(予定)するには訳がある!

減災、防災にも役立つ家訓づくりプログラムの新たな可能性にご注目ください