家訓づくりの本の生原稿シリーズです
今回は第5章に登場する「親の背中が子育ての一番の教科書」を投稿させていただきます
① 親の言う事は聞かない子供も、親の行動のマネはしている
子供は親の言うことはきかないが、親のする通りにはするものです。
親の生き方こそ子供にとって最高の教材です。
イギリス出身の牧師、ジョセフ・マーフィーの言葉
子どもは言葉よりも行動を見ている
「子どもは親の言うことは聞かないが、することはまねる」との名言に、あなた自身も思い当たる節があるのではないでしょうか? たとえば、子どもにああしなさい、何度も注意をしても、お母さんの思う通りにはいかず、腹が立ってしまうこともあるはずです。 そのくせ、ちょっとした立ち振る舞いや、悪い口癖をすぐに真似ているはずです。 例えば、電車にのった時のことです。終着駅についてあるご家族は飲み物をそのままにして下車しました。しかし、ある家族は、ゴミを手に持ちそうじのおばさんに手渡しています。たったそれだけのことですが、こどもはこういう景色をみています。そしてこんな差が、人生のなかで大きな違いになっていくものと感じています
こどもはマネをする生き物
口先だけで注意をしていても、全然聞かないのに、都合の悪いことはすぐにマネします。こども真似をする生き物です。逆をいえば、お父さんお母さんがいい振る舞いを続ければ、自然にいい子になるはずです。家のなかにかぎらす、きちんとゴミを捨てているでしょうか?こどもは、そんな背中をいつも見ています
子育ては親を育てる
子供は親のマネをします。挨拶をする親には、挨拶をする子どもが、靴をそろえる親には、靴をそろえるお子さんが育まれます。子育ては、親を育てるとも言われます。お父さん、お母さん自身が、よい習慣を身に着け、日々のふるまいを治していきましょう。 あいさつやマナーなど、子どもに身につけさせたいことがあれば、「まず自分から!」と心がけ、実践していくことをおすすめします。
家訓は、そんなお父さんお母さんの背中をつくります。どんな教科書よりも尊いものは、親の背中です。両親がひたむきに生きる姿自体が、どんな幼い子にも素晴らしい影響を与えます。いう事を聞かない子供を叱る前に、まずご自分の習慣をみなおしていきましょう
② こどもには、育児本でなく手本
こども達をとりまく教育環境が激変し、教科書の問題や、授業の質の低下が議論されています。 しかしあなた自身、学校の授業をどれだけ覚えていますか? 大人になる過程で、目指すべき「おとなの背中」があれば、かならず人生を豊かに導いてくれます。まず一番近い「おとな背中」として、お父さんお母さんの生き方を伝えてください。子どもには育児本でなく、「手本」が必要です。
人は人でしか学べない
英語や、体操教室、そしてピアノとたくさんの習い事があります。そしてそのどれもが先生が手本となり、基礎の反復練習をしているはずです。おなじように、家のなかでの躾(しつけ)も、反復練習と、そしてお父さんお母さんの手本が肝心です
少年と釣りのお話し
理想の育児を「少年と釣りのお話」として紹介します。 池のほとりにお腹をすかした少年がいたとして、あなたは大人としてどんな立ち振る舞いが求められるでしょう?釣りをして、魚を食べさせてあげる。これで50点。釣りの仕方を教えて、自分でごはんを食べられるようにしてあげる。これで100点です。 育児も、おなじです。愛情を与えながらも、釣りの仕方を教える育児を進めていきましょう。お子さんが4人、5人が当たり前だった昔の育児では、お子さん自身が自立し、あるいは上のお姉ちゃんが母親のかわりとして、下の子の面倒をみていたといわれています。
ちょっと前の家庭環境では、おじいちゃん、おばあちゃんと同じ家にすみ、たくさんの家族のなかでお互いに釣りの仕方をおしえていたのかもしれません。 いつか子供は自立していきます。たどたどしくても、不器用でも時には、子供にまかせ、釣りをさせてみてください。わが子の思わぬ成長をみるとき、お父さんお母さんは嬉しいものではないでしょうか?
④ やる気スイッチ
質問:
子どもが家で勉強しません。
勉強させるための家訓はありますか?
家訓二ストの答え:
お父さん、お母さんは子どもの前で勉強していますか?
それが答えです
といってはしまっては99%の家で子供は勉強しないことになってしまいます。家訓で、勉強するように仕向けることはできなくても、勉強をするための動機をつくってあげることはできます。
家訓でつくれるもの、それが「やる気スイッチ」です やる気スイッチとは?「やる気スイッチ」という言葉はよく耳にしますが、実際には存在しない感覚的なものだと思っていませんか?脳の中には本当に「やる気スイッチ」が存在するといわれ始めました。そのスイッチとは、脳にある「線条体」という部分。この線条体を活性化させることで、やる気を引き出すことができるそうです。 そしてこのスイッチは、家訓をつかって押してあげることができます。 逆に、このスイッチをオフにする方法は簡単で、ご褒美を餌に、やる気をひきだすこと、そして、叱りつけることです。 おもちゃを買ってもらうために、するあるいは、怒られるから、とりあえず、勉強する こうした子育てをしているご家庭が多いのではないでしょうか?
凡庸な教師は指示をする良い教師は説明をする優れた教師は模範をしめす偉大なる教師は内なる心に火をつける(ウィリアム・ウォード)
家訓は子どもの「やる気スイッチ」を押してあげることができます そのボタンを見つけることができれば、人生の大概のことは上手くいきます。そして、子ども達のスイッチを見つけてあげることが、大人にとって一番大切な仕事なのかもしれません。 たとえば、プロ野球選手になりたいとお子さんがいたとして、それは非常に素晴らしいことです。しかし、実際プロになれるのは一握りです。こんなとき、夢をちょっと具体的にしてあげて「目的」をつくってあげてください つまり、「なんでプロ野球選手になりたいか?」そんな質問をしてあげるだけで十分です。 プロになって、たくさんの人を喜ばしたい。お金もちになって、親孝行したい。動機はそれぞれの子供がきめることです。プロ野球であっても、それは1つの手段にすぎません。
大切なものは「目的」です。 目的がしっかりしていれば、たとえプロになれくても、マネージャーとして、あるいは新聞記者、グランド整備であっても、「たくさんのひとを喜ばず」お手伝いはできます 「目的」をしっかりもたせてあげるこんなとき、役にたつのが【家訓】です
家訓の例
・ありがとうと言おう。ありがとうと言われる人間になろう!
・ラッキーは笑顔からやってくる
・おれの幸せは、母ちゃんの幸せ。
母ちゃんの幸せは世界の幸せ 家訓は、お子さんの「やる気スイッチ」をおすプログラムですご自分の子供の時を思い返し、勉強ができる子、スポーツができる子って、勝手に努力していませんでしたか? 同じようにスイッチを押してあげれば、お子さんは輝き、お母さんの育児も、グッと楽になりますよ
⑤ 「やる気スイッチ」実践編
わが子をお札にする方法?
~野口英世の母にまなぶ偉人のつくり方~
■野口英世名言集
・志を得ざれば再び此の地を踏まず。
・家が貧しくても、体が不自由でも、決して失望してはいけない。
・人の一生の幸も災いも、自分から作るもの。
・周りの人間も、周りの状況も、自分から作り出した影と知るべきである。
・忍耐は苦い。しかし、その実は甘い。
・過去を変えることはできないし、変えようとも思わない。なぜなら人生で変えることができるのは、自分と未来だけだからだ。
・人生最大の幸福は一家の和楽である。円満なる親子、兄弟、師弟、友人の愛情に生きるより切なるものはない。
・人は能力だけでは、この世に立つことはできない。たとえ、立身しても、機械と同様だ。人は能力と共に徳を持つことが必要である。
背中でみせる子育て、そして、お母さんの懸命に生きる姿を手本に、心のスイッチをバチンといれた野口家の歴史を紹介させていただきます。
日本の細菌学者。黄熱病や梅毒等の研究で知られる。ノーベル生理学・医学賞の候補に三度名前が挙がったが、黄熱病の研究中に自身も罹患し、アフリカのガーナにて死去しています。今なおガーナでは、偉人として存在をしられ、日本でもお札の肖像になっています
生: 1876年11月9日
没: 1928年5月21日(享年51歳
ざっくり野口英世の半生を紹介します
①病気の基となるウイルスの発見につとめ、世界中の人から尊敬され、お札にもなった
②赤ちゃんの時、やけどをし、手に障害をかかえ、でいじめられ、不登校になる・・・
③母の言葉に奮起し、手の治療をうけ、恩返しのために自分自身が医者になることを誓う
偉人にもなる人物は、勉強もスポーツもできるスーパーマンのような幼少期を送っているようない印象がありますが、多くの偉人は、様々なコンプレックスをかかえ、人生と葛藤しています。それは、あなたのそばにいるお子さんと全く同じ環境です。
では、普通の子供を「偉人」に成長させたもの。それが「やる気スイッチ」の存在です 野口英世の場合、子供のころにおった手のケガと、お母さんへの恩返しの気持ちが、やる気スイッチの素になっています 貧しい環境のなか、いつも愛情を注いでくれた母親と、そんな母親の恩に報いたいという素朴な思いが、世界中で称賛された野口英世の行動力の源になっています。
子どもに必要なのは、育児本でなく、手本
そして、その手本がまっすぐ強くあればあるほど、お子さんの成長もまたまっすぐにのびていきます わが子をお札の肖像にするために? お父さんお母さんの背中をみせていってください 過去はかえることはできませんが、自分と未来は変えられます
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