人生は不条理に満ちたもの・・・
少年は、それを受け入れることで大人になっていくのではないでしょうか？
少年幡谷が味わった不条理は２つ。
１つは、どれだけ願掛けをしても阪神が勝てない事。そしてもう１つが、突然セーブデータがきえる悲劇です。
少年時代、ファミコンを立ち上げると
「ディリディリディリディリっディリ♪」
という効果音と共に、「冒険の書が消えました」とのメッセージをくらったものです(*_*)
一生懸命プレイしてきたプレイデータ（冒険の書）が一瞬できえる不条理。しかし少年はそのたびに歯を食いしばり、１から冒険に立ち向かうのです。
少年が大人になる一番の方法は、冒険です。
そして山も川もドラゴンもいない現代は、テレビゲームも立派な冒険の１つです。
そもそも、その前の時代には、冒険の書を、直筆で書きとめるという方法でしかセーブデータが保存できませんでした。この時代には、不規則にならぶ20文字のひらがなを、一心不乱に書き留めるのが、ゲームを終了させた際の礼儀、「ぬ」とか「ね」とか、一文字でも間違えると復活はできません。学校の授業ではありえない程、丁寧に復活の呪文を書き取ったものです。
ひとの命を学ぶ授業がある一方で、ゲーム上では、主人公の生き死にさえも、リセットボタンで片付いてしまう時代です。復活の呪文を手書き時代では、ゲームの中の命が重かった気がします
ゲーム１つをとっても、３０年前と、現代ともはや同じテーブルで会話などできません。だからこそ、昭和をいきたおっさんプレイヤーの一人として、ドラゴンクエストの近現代史を研究してみたいと思います。
ドラゴンクエストは、１９８６年、当時のエニックス社によって発売され、以後シリーズ化が進み、現在では、累計６０００万本をこえゲーム界の金字塔となった作品です。
ロールプレイングゲーム（通称：RPG）の先駆けとなる作品でもあり、主人公に、名前をつけられる点や、よく練られたストリー。鳥山明氏の手掛けたモンスターのかわいさ。何より当時一流の作曲家であった、すぎまこう一先生によるオリジナル音源など、飛びぬけた魅力に当時の子ども達は熱狂しました
とくに８０年代には、ゲームを手に入れるための狂想曲が話題となり社会問題になった程です。親子で、奔走する姿は、妖怪ウォッチの元祖なのかもしれません
初代ドラクエは、半導体の黎明期であり、８ビットで全作品を打ち込んでいます。このデータ量は、いまでいう写真を携帯でおくるほどのデータ量。
デジタルの画像１枚ほどのプログラミングに１００万人以上の子ども達が熱狂した。８０年代はそんな時代でした。
たかがドラクエ、されどドラクエ。
同じ時代に生きた子ども達が、１つのゲームに何か月も情熱をかたむけプレイしたことって、人類史上はじめての出来事だったのではないでしょうか？
そしてその時代を生きた少年たちが、いま、ひとの親となり社会の中核をになう世代に成長しています。
社会では、テレビゲームの影響を、ゲーム脳と表現し、残酷性を増すとか、協調性にかける子どもを産むとか、そんな議論が先行していますが。果たしてそうなのでしょうか？
このロジックが正しいのであれば、世界一ゲーム環境の整った日本では凶悪事件が多発しないといけないはずですが、犯罪件数は先進国でダントツの最下位。たまに起こる凶行犯と、その子がプレイしたゲームを無理やりつなぎあわせているにすぎないっと幡谷は考えます
反対に、アクションゲームをしている子の方が、やさしくなれる・・・そんな研究データも出始めました。人間がもっている潜在的なな凶暴性をゲームの中で消化しているともいえそうです。
ドラゴンクエストの冒険は仮想現実の世界です。しかし、この時代に生きたぼくにとっては、リアルな思い出なのです。
ゲームの中で、不条理をまなび、あるいは、勇者として世界を救う行動はいまの自分自身のつくった１つのファクターです
1000年も前の出来事を機械的に年号で覚えていく教育こそ、バーチャルなものではない。少なくとも幡谷にとっては、黒板にかかれる先生の文字より、ドラゴンクエストがリアルに時代を彩っています。
嫌いだった小学校の授業で、手塚治虫さんの「フイルムは生きている」という授業がありました。その内容はよく覚えています。反対に、中学、高校と作品もよまずに、文学界の大物の作品名を丸暗記させれたことは、反吐のでる思い出です
ドラクエで学ぶ近現代史、あるいはガンダムに学ぶ戦争と平和。
こどもたちの関心をひくために、もっと工夫ができるはずです
どこかの大学教授が手引きする死んだ歴史でなく、今をいきる知恵を学ぶ教育が、いま求められています
久しぶりに初代ドラクエでもやってみっかな・・・
でも復活の呪文がちょ～うざい(*_*)
子ども達が自由にあそべる山も、空き地もなくしてしまったのは、大人たちの都合。ゲームの中ぐらいは暴れてもらっていいかもね
コメントをお書きください