国破れて山河あり
画像は、福島県川内村の「いわなの郷」の写真です。
人間様の喧噪をよそに、福島の自然は、見事な紅葉をむかえ私たちを迎えてくれました
しかし、この村は、目に見えない恐怖。放射性物質との戦いの最前線の街でした。平成26年10月1日、一部残っていた村の帰宅困難地域が解除され、ようやく復興への足掛かりができたところでした。
いつでなく、今。そして、どこでなく、この日本で、そんな不合理が起こっている街があるのです。
村では、血が流れています
福島県川内村は、いわき市の上に接し、また村内の一部が30km圏の避難地域にかかったことで、村全体で避難。そして、避難地域が解除がされた後も、3000名いた村民は、半分程度しか戻ってきていないそうです。
戻ってこない理由は、様々です。
放射能の問題、雇用の問題。そしてこの地域の一番の問題は、コミュニティーの崩壊と感じました。
帰っててこない村民の事情は様々、村では、あくまで自主的な帰村を促しながらも、たくさんの施策をうつことで、環境整備に努めていました。しかし、現実は、除染のための作業員ばかりが目立つ村の姿であり、あるいは、元々寒村であった場所に、有力な雇用先があるわけでなく、寸断された村をつなぐことはもとより、新しく創ることもまた難しいものです。
楢葉町に住んでいたメンバーは、被災後、川内村役場に避難していたことを教えてくれました。その役場は、いまもボロで質素な作りのまま・・・ 復興予算にかこつけて、都内の税務署の改築に支出した予算が12億円。そもそも、福島原発は、東京に電気を送る施設です。明確な被害者と加害者がいて、どちらに、費用をかけるべきか、もはや議論をするのにもあきれます。
苦しいなか、空も食わずの状況で、わずかな食糧をわけあい激震にたえた日本人の美徳と、復興のための資金を北海道から沖縄までわれ先にと、無駄遣いをつづけているお役人さんたちが、同じ日本人とも思えません。お金はもちろん、知恵、そして復興をするためにあらゆる権益をこえ、すべての財産がこのエリアに投下されることを望みます。
放射性物質による大地の汚染は、昔の話でなく今、この村で起こっていることです。そして流れる血の止血もせずに、何億というお金をかけ見当違いのバンソウコを貼っています。
風土とは、山、川、文化。そしてそこに暮らす人々の営みがあってこその「風土」です。そして東日本大震災。そのあとの原子力発電所の事故は、1000年、2000年という単位で、自然と人間がつくってきた「風土」を一瞬で壊そうとしています。
壊すのも、人間。しかし作るのも人間です。
一見、自然のように見える山や河も、実は、人間と自然の共生の風景です。たとえば、里山の知恵のように、人間が手をいれ共生し、美しい景色をつくってきた歴史が日本にはあります。
今の復興への過程は100点ではありません。
しかし、失敗をみとめ、いなおって、次の知恵を絞ったっていいじゃないのでしょうか?
ここで10点、20点の失敗を惜しむより、100年後の1000点を目指していきましょう
短い時間の中での見学会でしたが、少なくとも除染は、誰も幸せにできないスキームでした。土砂をけずり、落ち葉をあつめても、風がふけば山からあらたな汚染土が流入するだけ、そもそも、田畑の表土を削ることって、一番豊かな土をなくしてしまうことです。
米一俵の値段が8000円という今日、除染が済んだあとに、農業を再開する農家がどれだけいるのでしょうか?そもそも、できたお米に放射性物質が含まれるリスクはまだまだあります。では、あきらめるべきなのか!?そもそも、汚染の指標となる空間線量0.23マイクロシーベルトって、何の単位で、そして本当に危険なものなのでしょうか???
これから福島県全体にかかる除染費用は、一節には30兆円に上るともいわれています。
仮に一戸あたり2500万円?だとしたら一兆円で、何件の家が建つのか。一億円で4軒、その一万倍で4万軒の家が建つ計算か。一戸2000万円なら5万戸だ。雨風が吹けば、たちまちに元通りになってしまう、まさにその場しのぎの効果なき現行の除染作業の空しさが募ります。
3000人の村で、帰村できたのが1000人。そして、いまこの村では年間100億円の除染費用をかけています。
この費用で何ができるのか?どぶに捨てる100億ならば、こどもたちが未来に希望をもてる100億円にすべきです
いまだ続く、原発事故以降の地域の破壊・・・
壊したのも、人間。だったら、作るのも人間の仕事です。
ただし、そのためには、もう少しの智慧と、決断と、そして人々の関心が集まることが重要です。首都圏に住んでいる皆様、少なくとも福島で作られる電気は、福島でなく東京に送られてきたものです。広義にいえば、加害者は、東京。そして被害者は、今も泣き続ける福島の皆様です
セシウムいりの米をくえ!とはいいません。お互いにベターな道をさぐり、そして心を寄せましょう
まだまだ、自分自身、何をしていいか分かりませんが、川内村の見学で感じたことを数回にわけブログで紹介させていただきます
次号は、家訓二ストによる暴論復興ビジョンを提言してみたいとおもいます。
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