デンサー節が伝える大切な風景 ~家訓二ストのイリオモテ探検記~

デンサー節(八重山民謡)

デンサー節ちゅくてぃ
わらびんちゃにゆまちぃ
しきんのいましみなゆしどぅわんねいにがゆる
デンサー
 
うふやぬなんてんばなくなだ
ぬきやぬなんてんばなくなだ
きむぐくるみやでぃくまにゆみくだ
デンサー
 
うやふぁかいしゃふぁから
きょうだいかいしゃうとぅとぅから
きないむつかいしゃゆみぬふぁから
デンサー


むぬいいざばつつしみよ
ふつぬふかからんだすなよ
んだてぃからやまたやぬみやならぬ
デンサー


いきがややぬなかばしら
いなぐややぬかがん
くるちばしらとかがんやたげいにすなわり
デンサー
 

【意訳】
教訓歌を作って子供たちに読ませて世間の戒めを教え諭すことが私の望みです

デンサー(これを伝えておきますよ)

お金持ちだからと嫁にきたのじゃない 貧乏だからと嫁にきたのじゃない

貴方の心映えの良いのを見て嫁にきたのです

デンサー(これを伝えておきますよ)

親子の関係の良し悪しは、子どもを見ればわかる 兄弟の間柄は、弟がどれだけ兄を尊敬しているかでわかる

家庭の仲睦まじさは、嫁の子どもの様子を見ればわかる

デンサー(これを伝えておきますよ)

人の文句を言いたくなった時は、慎むことです 思っていても、口の外に出してはいけない

一旦口に出してしまってからは、もう一度、その言葉を呑み込むことはできない

デンサー(これを伝えておきますよ)
男は家の大切な中柱です 女は家の中を映す鏡です

立派な黒木の柱と磨いた鏡は、良き家庭に常に互いに備わっているものです

デンサー(これを伝えておきますよ)

 

 

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9月21~23日まで、那覇での家訓づくりセミナーの機会を利用し、那覇から、石垣島へ。さらに船にのり東洋のガラパゴスといわれる西表(いりおもて)島に伺ってきました

 

紹介させていただいた「デンサー節」は、もはや訳がないと分からない八重山の言葉でつづられた民謡です。

ビキン(石垣出身)の歌う「島人(しまんちゅう)ぬ宝」でも、「トゥバラーマも、デンサー節も 言葉の意味さえわからない~♪」と歌い上げたほどの破壊力です

 

しかし、ネットで意味を調べていくと素晴らしい内容ばかり

この機会に家訓ブログで「デンサー」させていただきます^^

 

西表(いりおもて)では、台風の近づくあいにくの天気でしたが、離島ならではのゆくっりした時間を過ごすことができました^^

空港のある石垣島は、コンビニも、イオンも、しまむらもある都会です。鳥取にもないスターバックスがあるのには驚きました(T_T)

そして、石垣から高速船にのり50分で、西表島です。西表には、コンビニも、大手チェーンも、なにもありません。しかし、イリオモテ山猫をはじめ、貴重な動植物が暮らすこの島で、何もないことの素晴らしさを旅の中で気付かれることになりました

 

宿泊させていただいた「南ぬ風」(ぱいぬかじ)は、上原港から車で20分の集落の中にありました

そこで見かけた看板がこれ、「シチムラングトゥ」って何って感じです(*_*)

もはや、お知らせになっていませんが、現地の皆様には、分かる内容なのでしょう・・・

 

集落にある宿に泊まれたことで、ちょっとですが素朴な島の暮らしに触れることができました。

着いたその日には、宿の裏手にすむオジサンが、鶏をしめている風景に出合いました・・・っていうか、どの家も鶏を飼っていますし、飼っているのかも分からない野良鶏?も歩いているぐらいで、その自由すぎる空気感に一気に西表の虜(とりこ)になりました

また、島の大切なお祭りがまじかに迫っているらしく、夜8時になると集落にドラの音が響き、地区のみなさんが集会所にあつまり、踊りや祭りの練習をされていました。

 

こども達が走り回り、おじいちゃん、おばあちゃんが輪の中心にいて、お祭りのあれこれを相談しているそんな風景でした 

そんな光景って、日本のどこにもあったはずなのに、いったいどこに行ってしまったのでしょう?

 

地域で子ども達を育むことを提唱している家訓ニストですが、この「地域」という枠に「お年寄り」が欠けているのかな・・・っと西表で気づかされました。アフリカでは、「お年寄りが死ぬことは、1つの図書館がなくなること」という諺(ことわざ)があるそうです。おじいちゃん、おばあちゃん、そして子ども達に、庭の鶏まで、島の素朴な暮らしと、お祭りを中心にしたコミュニティーの形に懐かしさを感じました。

 

当然、内地(日本)で暮らす我々には、計り知れない離島での暮らすうえでの苦労もあることでしょう

しかし、日本中どこにでもあった自然な暮らしが、イリオモテヤマネコのごとく、ひっそり南の島で守られていたことに感動しました。

沖縄には、ウチナー時間というものがあるそうです。時間にルーズな沖縄のひとを指す言葉です。しかし、沖縄本島からみて、石垣島をはじめ離島に暮らすひとを、「しまじかん」と言うそうです。沖縄からみても、更に時間に自由をもつひと、それがイリオモテに流れる時間でした。

 

石垣から、西表の上原港についた時、迎えのバスがグダグダしており正直イラッとしていましたが、それが「しまじかん」です

そして、帰るころには、宿から上原にむかうバスが遅刻をしてても、たいして怒っていない自分がいました

 

あなたの空は何色ですか?

空が違えば、そこに暮らす人が違う。

ひとが違えば、そこでのルールも違う。

 

しまのルールでは、時間に遅れたっていい。

でも、西表に暮らす皆さんには、ぼくとは違う、守るべき「デンサ―」なものがありました。

 

2泊3日という限られた時間ですが、西表を楽しむことができました。

次は台風が来ていない時に行きたいです(^^ゞ 

海も、入れないない天気のなかでしたが、宿のおばあっと、いろんなおしゃべりができました。でもかえってよかったのかな(^_-)


デンサ―節の動画はYOUTUBEから↓↓↓


http://video.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC%E2%80%95%E7%AF%80