目のつけどころがシャープでしょ? 復活したSHARPが取り戻した創業者の心

画像:早川式繰出式えんぴつ
画像:早川式繰出式えんぴつ

タバコが苦手な家訓ニストは、プラズマクラスター付きの空気清浄器を愛用しています。その他にも、太陽光パネル、コピー機、パソコンもSHARPの商品を愛用しています。日本に数多くある家電メーカーの中で、シャープは時代のちょっと先をいく商品を展開してきた歴史があります。今では当たり前になった薄型テレビの成功は、最も顕著な例なのではないでしょうか?

 

数年前、経営危機により、身売り話まで出たシャープが5月12日発表した2014年3月期連結決算は、最終損益が115億円と3年ぶりに黒字転換しました。前々期(13年3月期)は5453億円の最終赤字だったが、1年で5568億円も改善したのです!

 

業績をV字回復させた高橋社長は、これまでのSHARPを、「業容が順調に拡大するにあたり、我が社は創業の精神を忘れ、おごり、高ぶり、チャレンジ精神の低下、顧客志向の欠如と言った、いわゆる大企業病に陥った」と語っています

 

今回のブログでは、目の付け所をシャープに、日本をけん引してきた大企業が陥った危機とその復活の物語を創業者の足跡からさかのぼり研究してみたいと思います。

 

創業者は、早川徳次(はやかわ・とくじ) 1893年~1980年(明治26年~昭和55年)。東京・日本橋生まれ。二歳の時に養子に出され貧困の中で育ちました。尋常小学校を2年生で中退し、若干8歳にして丁稚奉公に出て以降、飛躍のチャンスをつかむため自らの研鑽につとめた。のちに、かざり職人として独立。大正4年、繰り出し鉛筆シャープペンシルを発明。関東大震災で全てを失うも、大正13年大阪で早川金属工業研究所を設立して社長に就任。昭和17年、早川電機工業に社名変更。しかし第二次世界大戦を境に再びゼロからスタートに・・・しかし、社員と共に、多くのヒット商品を世に送り出し、今に続く社業の礎をつくった。昭和45年シャープに社名変更し会長。昭和51年、勲二等瑞宝章。86歳で没。著書に「私と事業」があります。

シャープという社名は、シャープペンシルから来ているんですね(^^ゞ 

小学校2年生で中退というのもすごいし、関東大震災、第二次世界大戦っと、軌道に乗りかけた社業が、一瞬にしてゼロになる憂き目を何度となく味わったのが早川さんの半生です。
早川徳次は、このシャーペンだけでなく、生涯の間に多くの発明品を残しました。創業者の精神は引き継がれ「他社に真似されるものをつくれ!」という号令のもと、現在でもキラリと光る商品を世に送り出しています。

 

しかし、前述のとおり、シャープは、数年前に倒産状態に陥りました。

では、震災も戦争も切り抜けたシャープが崖っぷちまで追い込まれた理由は何でしょうか? ここで、創業者・早川さんの言葉と経営陣のとった施策を並べ考察してみます。

 

経営理念

「いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術をもって、広く世界の文化と福祉の向上に貢献する…」

経営信条

「二意専心 誠意と創意 この二意に溢れる仕事こそ、人々に心からの満足と喜びをもたらし真に社会への貢献となる。(中略)勇気は生き甲斐(がい)の源なり、進んで取り組め困難に」という言葉を遺しました。

 

旧経営陣

→薄型テレビで市場を席巻したのち、さらに超大型の投資をしたものの価格競争に巻き込まれ丸損(-_-;)

つまり、「いたずら」に規模の拡大をおった事が取り戻せない失敗となってしまいました。これは、「質」を求めてきたシャープの歴史の中で、「量」をおったが故の失策です。

本当に怖いものは、地震でも戦争でなく、大企業病に冒された「ひと」であるようです(*_*)

 

 

創業以来の未曾有の危機のなか、社長に就任した高橋社長は、

「全部、正しい。素晴らしい創業の精神があったのに・・・」と唇をかみ、理念と信条の書かれたカードを報道陣にみせ、再スタートを切るために、早川翁の言葉として、従業員に配り人心一新を図りました。
 

シャープが陥った大企業病とは、主に大企業で見られる非効率的な企業体質のことです。症状としては例えば、頻繁な会議や、決定までに時間のかかる根回し、企業や顧客の利益よりも組織図の管理を重視する姿勢などがあげられます。

 

あれ? そんな組織、あなたの周りにありませんか!

書類づくり追われて、挑戦もせず、他人事のように愚痴をこぼしているのだったら、今こそ悔い改める時です。

・・JCも大企業病なのかな(*_*)
 

シャープでは、創業者の他界後、相談役、会長、社長という「3頭政治」に陥り、社内でも誰が意思決定しているか分からない状況に陥っていたといわれています。その中でもシャープの役員、中でも経営トップ層が腐っていたと・・・

そんなズブズブの状態のなか、世界の亀山モデルと賞賛された液晶画面の主力工場が、過剰な投資となっていき、引き際をつくれず、結果、経営危機になったのでした。

 

おなじく日産自動車の経営危機を立て直したカルロス・ゴーンは著作の中で、ルノーから日産に派遣されたとき、社内の食堂で日産の幹部の一人がゴーンに箸の使い方を教えながらたんたんと「日産の社員は危機感がないんだよ」と言うのを聞いて驚いた、と書いています。言っている当人がまるで日産の危機を他人事のように語っていたからです。 

 

地獄への道は善意の石で出来ている・・・

 

愚かな経営者だったとしても、会社を損させようと頑張った訳ではありません。良かれ、良かれっと判断していった結果が、失敗してしまったのです。これが「善意の石」です。そして、図らずも失敗した場合、「責任」が生まれます。失敗した事実を隠すため、損きりができず、より大きな過ちをおかす・・・ それが、「地獄への道」なのです。 

 

組織の中では、挑戦者の足をひっぱり、様子見を決め込む人も多くなることがあります。挑戦して失敗すると責任が発生します。だから挑戦しない・・・そんな会社ではイノベーションは生まれません。もっとひどいのは、成功されると、自分たちのポジションが危うくなるので、成功しないように根回しをする・・・ そんな組織に未来はないのは当たり前。しかし、日本という村社会では、挑戦者に厳しい空気を作っていないでしょうか?

 

改めて創業者の早川さんの、理念・信条を紹介させていただきます。

「いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術をもって、広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」

さらに経営信条は

「二意専心 誠意と創意 この二意に溢れる仕事こそ、人々に心からの満足と喜びをもたらし真に社会への貢献となる。(中略)勇気は生き甲斐(がい)の源なり、進んで取り組め困難に」

 

誠意と創意に立ち戻った高橋社長が率いるSHARPは、業績回復と共に、創業者の魂を取り戻しました。

そしてここからが、第二の創業として、目の付け所がシャープでしょ?っと早川さんに報告できる、アッとおどろく商品を世の中に送り出してくれることでしょう^^

 

大企業病は、大企業に関わらず弊社のような零細企業にも当てはまります。10人しかいない弊社であっても、社長(わたし)と会長(おやじ)の意見がバラバラだったり、なんとなく誰かがやってくれるだろう・・・と問題を先送りしたりっと(-_-;) 

誰のための会社なのか?何のために働くのか? 経営理念、あるいは社訓・家訓は、立ち戻る場所として大企業にも中小零細企業にも必要なものなのです。

 

襟(えり)を正さなくていけないのは、シャープの旧経営者だけでなく、自分の襟かもしれません。

あらためて、偉大なる経営者・早川さんの足跡に敬意を払うとともに、時代の変革者として、社業の発展と、家訓ニストとしての活動を通じ、これからもシャープに世の中をえぐることを誓います<(`^´)>