家訓二スト社会科学シリーズ 第4段「おかんの味噌汁の秘密」を紹介させていただきます
あなたは、あなたの食べたもので出来ている。
米国より帰国し1週間。本当に日本の食事は美味い!
この「美味い」という気持ちは、人間の原始的な欲求でもあり、人生の豊かさそのものではないでしょうか? 今回は、家訓二スト社会科学シリーズの第4弾として、おかんのつくる味噌汁の秘密を紐解き、「豊ささ」を「食」の切り口から研究してみたいとおもいます。
現代の豊かな生活は幾多の発明品に支えられています。例をあげれば、電気、自動車、テレビ、そして今週に限ってはエアコン様さま(>_<)。そんな中、日本人が発明し、なおかつ「家訓づくりプログラム」より先に世界征服を実現させたものがあることを皆様はご存知でしょうか?
それが「UMAMI」と表現される五元味の1つ。グルタミン酸ナトリウム。通称「味の素」なのです。
わたしたちの生活の中で絶対に欠かせない「食事」。日本人は長い歴史の中で、四季折々の食材をいかし、また貪欲に美味しさについて探求してきた民族でもあります。悠久の歴史の中で、「UMAMI」の作用を上手に活かしてきたことをご存知でしょうか?
明治時代、東京大学の池田博士は、昆布の美味しさの秘密を研究する中で、味覚の中に「UMAMI」の存在を発見し、結晶化することに成功。これを商品化にものが皆さんご存知の「味の素」になります。
それまで世界では、味覚とは、甘味、塩味、辛味、酸味の4元味で構成されているとされてきました。池田博士の発見した5番目の味覚「UMAMI」は、その後、世界中に広まり、食卓に革命をもたらしました。
「UMAMI」成分を含有する食材は、日本では、かつお節や、こんぶ、シイタケがあげられます。西洋では、これが、コンソメや、フォンドボーに置き換わるそうです。意外なものでは、トマトは、野菜の中でも多くの「UMAMI」を有しているそうです。
味噌汁うまいっすよね? これはかつおの節ががんばっているから。
夜中のラーメン、やばいっすよね? これは、チョチョチョっと厨房で味の素を振り掛けているからなのです(*_*)
複雑味とも表現される「UMAMI」は、日本の豊かな自然環境の中で育まれてきました。たとえば、醸造技術。前述の醤油でたとえると、材料となる大豆、麦をそのまま食べても美味しくありません。それが、麹をくわえ微生物の力で発酵させると、ゆるやかなに味に膨らみが出て、結果、多くの旨味成分が生まれます。科学的にいうと原料由来のタンパク質が、微生物の出す「酵素」の力で分解され、高分子のタンパク質が、ペプチド、そしてアミノ酸に戻っていく過程が、醤油桶のなかで起こっています。このアミノ酸が、グルタミン酸にあたります。
実はこの工程は、私たちの体の中でも起こっていることなのです。口から入った食材は、そのまま栄養になるのでなく、口→胃→腸と渡る中で「酵素」によって分解され、アミノ酸の形にかわり、必要な栄養素として体内で利用されるのです。
アミノ酸とは、生物の設計図。だから体はこれをほしがる。
味の素は美味い!このアミノ酸を「美味い!」と感じる力は、本能としか言いようがありません<(`^´)>
改めて、グルタミン酸とはアミノ酸の1種です。そんな味の素ぬきでも、「UMAMI」は再現できますが、朝の忙しい食卓で、味噌汁を出そうとかつお節をけずり、こんぶにさっと湯をかけられますか? あるいは、お父さんの帰りを10時間、じっくり魚介を煮込んだフォンドボーでまっている・・・ 生活のシーンの中でなかなかできないことではないでしょうか?
今更、自動車の利便性を疑うひとがいないように、味の素は、非常に便利な発明品です。なおかつ安心して使っていただける基礎調味料であることを知っていてください。昆布から抽出していたグルタミン酸ナトリウムでしたが、近年では、発酵法での製造が可能になり、今ではサトウキビから、微生物の力を借りて味の素は製造されています。
日本人による「UMAMI」の発見から100年。世界中のおかんに支持されてきた歴史の中で、4~50年前は、味の素をかけると頭がよくなる!とも言われ、反対に近年では、味の素をかけると舌がしびれる・・・っと残念なデマも飛び交っています。
諸説の真贋は別の機会にして、日本生まれの「味の素」が世界を美味しくしてきたことは事実です。それは食卓の笑顔をふやし、人生を豊かにするものだと家訓二ストは考えます。
四季の彩りが鮮やかな国、日本。長い歴史の中で受け継がれてきた伝統や文化は、世界でも稀な食文化を形成してきました。味覚とは、感受性の原点。そしてあなた自身をつくってきたものです。
味覚とは感受性の原点です。あなたの価値観を親がつくってくれたことを、おかんの作る味噌汁の中で見直してみてください。
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